ヒーリング・フォレスト~物語と癒しの森から~

心理カウンセラー・執筆家による気づきと悟りへのメッセージ

失敗がまったく気にならなくなるとき

 失敗を繰り返してしまう、何回も失敗しないと身につかない、失敗をおそれるあまり慎重になりすぎて気力がもたない、それが対人関係にも影響して壁をつくってしまう。…


 多くの人は、失敗はいけないもの、ネガティブなもの、してはいけないもの、できれば回避したいものと考えて、失敗したからダメ、失敗しそうだからダメと、その悪しきイメージは過去からも未来へも影響を及ぼします。


 もちろん、犯罪を犯してしまうとか、取り返しのつかない失敗は未然に防がなくてはいけませんが、ここでいう失敗とは、実生活で普通に生きていくなかでの失敗、自分なりに考えて努力した結果の失敗について。


 これまで私はセミナーや講演会に出かけたり、パーティに招待されたりするたびに、しあわせに生きている人、成功している人に多くお会いする機会に恵まれてきましたが、かれらの誰もが、失敗について、普通の人が考えているのとは、まったく逆の考え方を持っているのに気付かされました。


 しあわせに生きている人、成功している人ほど、失敗をごくあたりまえのことととらえています。そして、普通の人に比べて何かにトライする数が半端ではない、つまり失敗してきた数が半端ではない、ということがわかります。


 なぜなら、彼らはより多くのことを試すからです。結果的にそうなった人もいれば、なかには若い頃からその秘密、カラクリを知っていて、できるだけ早い時期にあえて多く失敗しようとしてきた人もいました。


 ただ失敗する、負けるにしても、失敗のし方、負け方がうまいと、次があります。失敗を糧にして次に活かせるようだと、かりに失敗しても、一回うまくいかなかった方法が早くわかっただけで、それ以降、別のやり方を試行錯誤していくなかで初めて成功するわけです。失敗してそこから学べれば、早くうまくいくコツがわかるだけ。


 多くの人は、できるだけ失敗を避けるためにどうしたらいいかを考えて、失敗しないための方法を考えることに多くの時間を費やします。そしてやっとのことでトライして、それが失敗するとひどく落ち込んでしまい、やる気をなくしてしまう。これではいつまでたっても正解にたどり着けません。


 成功する人は何回早く失敗するかを考えます。できるだけ早く9回失敗しておけば、1つの成功する方法が見つかるからです。早く失敗したほうが、早く正解にたどり着ける。


 このように、失敗に対する考え方そのものが、まったく違います。


 皆さんもよくご存知でしょう、イチロー選手は4割のヒットを打つために、6割の失敗をしていますし、ユニクロの柳井会長は、10回新しいことを始めれば、9回は失敗すると言っているように、そういう人たちは失敗から多くを学んでいるため、失敗の多さと人生の豊かさが比例しています。


 私はそんなに大きなことする人とは違います、という声も聞こえてきそうですが、そう思うのも個人の自由です。失敗することを必要以上にコワがって何もできないのも、失敗から何かを学ぼうと行動していくのも、選ぶのはその人です。


 ただ私の場合、もっと早くにたくさん失敗しておけばよかった、そうすればもっと早くいろいろなことができていたし、今も違っていたかもしれないと思うことがあります。


 そのときは親や学校の影響もあったのかもしれませんが、できるだけ失敗しないで成功するにはどうしたらいいかという、現実にはありえないことしか考えていなかったから、それで後悔するなんて夢にも思わなかった。


 いつも最短距離を行くのが人生のベストではありません。失敗の多さと人生の豊かさが比例している人に会えば会うほど、自分が過去にいくら失敗していても、未来にいくら失敗しようとも、自分のすべてが肯定される、何も問題はない、気にすることはない、そんな気持ちを持つことができます。


 そしておもしろいことに、私にはかつてそのときは失敗だと思っていたことが、今になって思えば、じつは失敗でも何でもなかったということが多々あります。そうなると、そもそも失敗って何、という話になります。


 以上、そもそも失敗って何ですか、という話でした。